幕間1
〜先輩ト後輩〜




『お〜い、北林ぃ? 茶入れてくれ〜』

間延びした、だらしの無い声が響く。

 大塚 陽は、警視庁捜査一課の巡査であり、一応、義高の先輩でもあった。

「なんだよ、北林の奴、いないのかよ。ったく、使えねえなぁ」

ぶつくさ文句をたれている大塚だったが、机の上に置かれたメモに気付くと、瞬間、目つきが鋭くなった。

「北林……お前……まさか……」

何か知っているかのような口調でそう呟き、天井を仰ぐ。

 
 緊張した空気が流れる……

そして――


――バンッ

勢いよく机を叩くと、大きくごちた。

「遊びに行きやがったな〜!! しかもこの俺を差し置いて行くとはいい度胸してんじゃねえか。くそっ、土産買って来なかったらぶっ殺す!!!」









 ……捜査一課の先行きが不安である。





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