ハイ、またしてもです。
 次に接客の極意を学ぶのは、りんご王子こと真田一馬に決めました。
 では早速……



 
Case2:The secrets of the apple prince.





「ねえ一馬、接客の極意を教えてほしいんだけど。名付けて『りんご王子の極意』w」
「接客の極意?……ていうか、りんご王子はヤメろ……」
「一馬は普段、どんな風にお客さんと接しているのかとか教えてほしいの」
「別に普通だけど……」

 丁度その時、一馬に指名が入る。私はその光景を観察することにした。

「きゃー一馬、今日も純情少年って感じが可愛いわぁv」
「そ、そんなこと……無いだろ……!//////」
「顔真っ赤だよー、かじゅまv きゃはははっ、可愛いーvvv」
「か、かじゅまって言うな!/////」

「……」
 一馬はアレか。天然年上キラーか……。
 一馬を指名してるのって、決まってお姉さんタイプが数名だし。ていうか一馬、めちゃめちゃ素のままじゃない……。敬語とか使ってないし。

「ハイかじゅまv お姉さんが、りんご剥いてあげましたよー?」
「り、りんご?」
「そうでちゅよーv ほら、あーんして?」
「で、出来るかよっ、そんな恥ずかしい真似……っ/////」
「かじゅまってば、りんごちゃんみたいなお顔してまちゅよーv ほら、ウサギさん型に剥いてあげまちたから、我侭言わずに食べましょーね」
「うっ……////」
「ほら……ウサギさんが泣いてるぞ?w」
「っ……あ、あーん//////…………ぱくっ」
「「かーわーいーいーーーーーーーーっvvvvvvvvv」」
「っ……///////」

 ……あーあ。一馬、涙目になりながらりんご食べてるし。
 ていうか、あれは犯罪だわね。可愛いって思うお姉さま方の気持ちが分かるわ……。
 そして、私にはこの接客も絶対無理だ……。

 またしても頭を抱える私に、一馬が照れながら寄ってくる。
「ご、極意とかよく分かんねえけど……あんな感じ……か?」
「一馬は、りんごで客を落とすわけですね」
「なっ……ち、ちげぇよ!////」
「ウサギさんリンゴが、一馬の好物……と」
「うわぁっ!? 何メモしてんだよ!!////」

 ふぅ……だんだん疲れてきたんだけど……とりあえず、もう一人くらいは。
「よ、ちゃん。何疲れた顔しとんの?」
「光徳……」
 そうだ! 光徳なら、すごく参考になりそうな気がする。
「あ、あのね光徳……」

 事の次第を話すと、光徳は二つ返事でオーケーしてくれた。
 よし! 今度こそ、接客の極意を学ぶわよ!!




back/top/next


というわけで、「りんご王子」篇どうでしたか? めちゃめちゃ短いっていう突っ込みはナシで(笑)かじゅまは、天然お姉キラーですよ、絶対。リンゴ剥いてあげたくなっちゃうもん、こんな子いたらvナイーブなりんご王子に、お姉さま方はメロドッキュンです!!
さてさて次回は……ウインクキラーの彼に極意を学びましょうvvv