舞踏会へとやって来たシンデレラ。
果たして彼女の運命は……?





『シンデレラ』――中編







 中は、着飾った女性たちでごった返していました。


「えぇっと……あ! お母様たちだわ!!」


 は、思わず声を上げてしまいました。しかし、いつもと別人のような格好のに、誰も気付く筈が――


――っ!! こんな綺麗になって……!! 父さんは嬉しいぞ!!!」(キャプスマを浮かべ、に抱きつく)
「ぎゃぁっ! お父様!! く、苦しい……!!」
「おいてめえ渋沢! から離れ――」

――「ザクッ」(声:U10)


 継父の頭には、
何故か「フォーク」が生えていますが、気にしても仕方ありません。


(((((いや……気にしろよ!!汗))))(観客の声)


「ぎゃーーーーっ!? か、かつっ、克ろっ……ふぉ、ふぉ、フォーククク!!!!!」
「ん? どうした?」(キャプスマ)
「し、渋沢……お前、あたっ、頭っ……」
「どうしたんだ水野まで。寒いのか? そんなに震えて」
「かっ、克郎……頭、大丈夫?」
「頭? ちょっと痒いんだが……」
「いや、あのね……」


 顔面蒼白のと水野。渋沢は、全く気付いていない様子。流石は、無駄に図体がデカイだけのことがあります。でも……

――「ザクッ、ザクッ、ザクッ」(声:ゆーと)

「きゃーーーー?! 克郎〜〜〜〜っ!!!!」(、絶叫)
「し、渋沢ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」(水野、絶叫)
「ぐはぁっ!」

――「ばたり……」(声:茶髪犬)


 yes!!(本日二回目のガッツポーズde英士w)
 四本のフォークを生やした矢先に、
奴は地に平伏しました。――始末完了。……そんな矢先、三上がを奪い取り…………――――ちっ、武器が切れたか


「(た、助かった……)……綺麗になったじゃねえか。ますます惚れ直したぜ」
「ちょ、亮……」
「王子なんてやめて、俺と一緒に踊ろうぜ?」
「えっ? あ、ちょっと……」



 を無理矢理連れていこうとする三上。しかし、それは水野によって止められました。


「三上、を放せ」
「何だよ水野。お前には関係ないだろーが」
「関係あるんだよ! に気安く触るな!!」
「フン。お坊ちゃん風情が、俺に勝てると思ってんのか?」
「っ……うるさいっ!! お前に何が分かるって言うんだ!!」

――「どがっ」(声:若菜結人でっす。あー暇…)


「んがぁっ!?」
「きゃあ!」



 水野は、何故か横に落ちていたサッカーボールを、三上に蹴り込みました。それは三上の顔面にヒット。怒りで我を忘れた二人は、そのまま激しい乱闘に突入し……


「おいお前ら!! 喧嘩なら、他所でやれよ!」


 ……ようとしたところで、突然誰かに怒鳴られました。


「翼(椎名)!!」
「ったく……このシーンに来るまで、一体何時間かかってるんだよ。どんだけ人を待たせれば気が済むわけ? しかも全然台本と違うし、こんなんでこのシーンに来られても迷惑なだけなんだけど」



 そこには、王子とその従者の黒人がいました。王子は青筋を立てながら、必死に怒りを抑えているようです。


「黒人って、俺かよ……」
「柾輝……た、確かにアンタは黒いけど……英士ってば……」
「はあ……、待ちくたびれたよ」
「翼が王子様だよ…ね?」
「そうだけど。…なに、僕じゃ役不足とか言いたいわけ?」
「そ、そんなわけないよ! ……でも、どっちかって言えば、翼がシンデレラやった方が良かったと思うんだけど……」
「は? 何でだよ?」
「だって、翼の方がどう見ても可愛いじゃん! 私、王子様の方が良かった〜!!」
「ぷっ……、お前マジで言ってんのかよ。クククッ……翼、どうするよ?」
……お前ねぇ……」



 ……王子は呆れて物が言えな――……西園寺監督…?
「うふふ、あまりにも楽しいから現場に来ちゃったv さあ郭君のお仕事はここまで! あとのナレーションは私が代わるわ」
「……俺も舞台に参加しろという理解で宜しいですか?」
「楽しんできてね」



「玲ちゃん!? っていうか、英士も参加って、突然どうなってるの!?」
「玲……また何か企んでるな」



 ハロー、翼、皆! ここからは私がお話を誘導するわね! もう思いっきりはっちゃけて頂戴v
 王子はシンデレラに向かって、「一曲踊ってくれないか?」と頼みました♪


「……玲のやつ……ま、いいや。――麗しい姫君、私と一曲踊っていただけませんか?」
「えっ?! あっ、わ、私で良ければ……////」



 にっこりと微笑みながら手を取った王子に、シンデレラは頬を染めて頷きました♪ 
 うふっ、翼ってば中々やるじゃない。さすがは私のハトコね。他の王子様も頑張らないと、獲られちゃうわよ〜?


「ちっ……椎名のやつ。おい、渋沢、水野! ここは一時休戦だ。まずはを取り返すぜ(渋沢はまだフォーク刺さったままだけどな……)」
「仕方ないな……渋沢、大丈夫か?(まだフォーク刺さってるけど……)」
「ん……あ、!? 俺はまた気を失っていたのか!! っ! ―っ!!」(もはや半狂乱)
「「(渋沢は、人間じゃないな……)」」


 うふふ。もうちょっと拍車をかけちゃいますv 
 王子様はシンデレラと踊りながら、
乙女でさえも凍りつくような、ゲロ甘のクサ〜い台詞を、さらりと言ってのけることにしました♪


「なっ……!」(翼)
「玲ちゃんってば、また酷なことを……(汗)」(



 うふふっ、翼。せっかく王子様役を勝ち取ったんだから、これくらいはやってもらわないとねv
 王子様はシンデレラを見つめ……


「フン、いい気味だぜ椎名。せいぜい、その甘い台詞とやらを俺たちにも聞こえる声で言ってくれよ?」
―っ! ―――っ!!」(続・壊れキャプ)
「渋沢、フォーク抜かなくていいのか……?」



「翼…どうするの……?」
「……」



 そろそろ考え付いたかしらね? じゃあ行くわよ。
 ……そして、こう言いました♪


「つば――」
「……フン、そんなに聞きたいなら聞かせてやるよ。そこでしっかり見てなよ玲。三上もね。……――――姫」
「えっ……」
「……貴女のその瞳に映る全てのものに、私は嫉妬してしまうでしょう。水晶のように透明で深い貴女の瞳に、私は囚われてしまったのです。貴女の視線を独り占めしたい。姫の瞳に映るのは、私だけでいい。そう思うのは、罪なのでしょうか……?」
「つ、翼ぁっ!?」
「……貴女を誰にも渡したくない。誰にも見えないように、隠してしまいたい。声だって聞かせたくない。貴女の全てを私のモノに……貴方が、私だけを見るように……」
「なっ、なっ、なっ////(きゃーーーーっ、何コレ、翼が本気で王子様に見えるんだけど!!)」



 翼……! 寒い!! 寒すぎるわ!! もう鳥肌が立ってるわよ!! ……思った以上にやるわね…………


「……ま、マジかよ……本気で寒気がするぜ……うぇぇっ」
「三上に激しく同感だ……椎名、流石というか何と言うか……」
! そんなに甘い言葉が聞きたかったのか? よし、それじゃあ俺が毎日――いや、毎秒言い続けてやるからな!! ハハハハ!!!」(→さり気なく、ストーカー宣言。そしてフォークが生えている)
「俺は別に平気だけど? ていうか、これくらい言えるでしょ」
「「郭!? いつの間に!!」」(水野・三上)
「はぁっ、はぁっ、英士、ちょっと待てって……!!」
「真田……お前、まさか今までずっとトイレに……?」
「い、いや……まあ、な……」
「おっ、英士と一馬、やっと来たな! ほら一馬、渋沢見てみろよ。アイツ、すっげーからwww」
「は? 何が……

―――――――○▲#*×■☆※〜〜〜っ!?(声にならない叫び声)


――「ばたり……」(声:結人だよん)

「真田!? 大丈夫かよ、おい!」
「……結人、絶対ワザとでしょ」
「どっきり大成功! なーんてなw」
「お前ら、真田が哀れすぎるぞ……」
「ナイーブなかじゅまが悪いんだよw」
「結人……あんまり一馬を虐めるなよ。立ち直らせるの、大変なんだから」
「「そっちかよ……」」
「ほら、椎名が続けるみたいだよ」
「まだ続くのか……」(がっくりと肩を落とす三上)



「貴女は私の元に舞い降りた、汚れ無き天使……どうかその輝きで、私を照らし続けていただけませんか?」



 クサイ!! クサイわよ翼!! あり得ないくらいよ!!


「っ……あ、あの……翼っ……」
「…………ぷっ……、照れすぎ。アハハハハッ」
「だ、だって!! こんな台詞、聞いてるだけで赤面しちゃうわよ!////」
「フフッ……じゃあもっと、赤くなってみる?」
「へ――」



 お、王子は、不敵な笑みを浮かべ……って、翼、何をする気?


――ちゅっ


「「「「なっ……!?」」」」(当事者を除くメンバー)


「愛してるよ――――
「…………」(



 「ふらふら……ぱたり……」(効果音:西園寺よv)
 な、何と王子は、王道の「おでこにちゅー」をシンデレラにしちゃいました♪ 
 ショックで気を失ったシンデレラを、王子はしっかり抱きとめます。翼――!! アナタ、やるじゃないの☆見直したわよー!! 


「結人……椎名とグルなわけ? 何、今のキス音」
「い、今のは俺じゃないって! あり得ないだろーが! 英士、手にナイフ持つの止めろよな〜(汗)」



 うふふ。皆、いいの? このままで。 翼とちゃん、くっついちゃうわよ〜? 
 ほらほら、何と気付いたら時刻は23時55分!! シンデレラの魔法が解けちゃうわよ!(続・強引な進行役)


「っ! あまりの事に、一瞬呆然としちまった……渋沢っ、水野! 椎名を殺るのは後回しだ!! とりあえず連れてずらかるぜ!!」
「分かった! 渋沢、を椎名から奪還するぞ!」
「俺のっ! 今すぐ助けてやるからな!!」



 シンデレラ家族組は動き出したわねv あら、トリオは動かなくていいの?


「どうする英士? 一馬、泡噴いて動かないけど(おい)」
「おぶって連れ帰るしかないでしょ。結人、責任持っておぶってね」
「えー!? 俺かよ!」
「結人のせいでこうなったんだし、当たり前でしょ」
「ちぇっ。ほら、かじゅま、おうちへ帰りまちゅよ」
は、今回はあいつらに任せるしかないね……」
〜〜〜っ(涙)………うーっし! 次はぜーったい主役級の役を勝ち取ってやろうぜ! な? 英士、一馬」
「yes!!(本日三回目)さ、急ぐよ」
「あいあいさー★」



 あらあら、トリオ組は今回のちゃん争奪戦からは外れちゃったみたいね……残念。でもまだ、伏兵は残ってるのよねぇ?


っ!! てめっ椎名! よくも俺のに手出してくれたな!? どうなるか分かってんだろうな? あぁ!?」
「椎名!! 俺のに接吻とは許しがたき大罪!! その首叩っ斬る! そこへ直れぇぇぇい!!」(注:フォーク刺さったまま)
「渋沢、お前いつの時代の人間だよ……。椎名、王子(役)だからって、遊びには度が過ぎるんじゃないのか?」
「弱い犬ほどよく吠えるってね。お前らじゃ、俺には勝てないよ」
「「何だと!! もう1回言ってみろこの野郎!!」」
「まあまあ三上、水野……。椎名、ここは話し合いで解決しようじゃないか。ハハハ。とりあえず、先にを返してもらえないか?」(キャプスマ+フォー(以下略))
「やだね。てか、何そのフォーク。ギャグ?」



 「ぷちんっ」(うふふ、渋沢君の血管、切れちゃったみたいね)


「椎名ぁぁぁ!!! 俺のを今すぐ返せぇぇぇっ!!! フォークって何のことだぁぁぁ!?」
「「し、渋沢落ち着け!!! フォークに気付け!!!」」


「翼、こいつら煩いし、とりあえず返してやれば?」
「柾輝」
「どうせこの後、シンデレラは王子のとこに戻ってくるだろ?」
「……そうだけどね。こいつらには返したくないんだよ」
「ま、気持ちは分かるけどな」


 ほら、そんな悠長にしてる暇はないわよ? 騎士さんたち♪


「おい、いつまで寝て――」

――バンッ

ちゃ〜〜んっ!! もうすぐ約束の時間になっちゃうよー?」
「誠二、馬車のくせに二本足で走るなよ」
「そんなこと言ったってタク、ちゃんの魔法が切れちゃったらやばいだろ?」
「……先輩、時間です。一緒に帰りましょう」
「あれ、ちゃん寝てる?――って、キャプテンに三上先輩!? 水野まで!」
「バカ代、笠井! 丁度いいところに来た!!」
「二人とも、俺たちと一緒に、椎名からを取り戻してくれないか?」
「椎名さんに、先輩は捕まっているんですか?」
「そういうことだ。笠井、手段は選ばなくていいぜ」
「勿論、そのつもりです」
「……笠井、お前って一体……?」(水野)
「要するに、ちゃんを連れてくればいいんすよね? ちゃーんv」



――何と、突然かぼちゃの馬車と、猫の従者が参戦しました! かぼちゃ君は、シンデレラに向かって飛びつこうとしました♪


「なっ、藤代! ちっ……柾輝!」
「へいへい



 王子の指示を受けたお付は、かぼちゃの馬車に向かって……


「悪いな。やらないと、後が怖いんでね」
「えっ、黒川??」


――「ばこんっ」

「ぐはっ」
「うわっ、当たり所良過ぎたか?」



 お決まりパターンの、サッカーボールを蹴り込んだのです。あら、痛そう……。


「バカ代! くそっ、笠井、お前も参戦してこいよ!」
「はい、分かりました。――
逝ってらっしゃい、三上先輩」
「は?――――ぐおっ!?」



 あらぁ、従者が突然兄1を蹴り飛ばしちゃったわ。その勢いで、兄1君は、シンデレラたちに突っ込んじゃいそうです♪


「うおぉぉっ!? ちょっ、そこ、そこどけっ!!」
「げ……翼、俺コイツは無理だわ。悪いけど、一抜け」
「あ、柾輝!? くっ……、起きろ! 三上に潰されるよ!?」
「うぅ……………」(



 、結構なピンチよ? ん……? あの人影は…………! 翼、ここはちゃんを手放すしかなさそうよ?


「玲、何言って――」
「姫さん! こっちにパスや!!」
「藤村!?……くっ――頼んだよ!」



 さすが王子様。王子は姫の無事を最優先し、その身柄を突如現れた魔法使いに託しました。
 魔法使いは、見事シンデレラをキャッチ!  見事な連携よ二人とも!! 次の試合でもそれを生かしてねv


「……監督、そりゃあ無理な話やで」
「ん……あれ、私……――シゲ!?」
「おはよーさんv ちょっとこのまま我慢してーな」
「え……わっ、ちょ、シゲ! 降ろして〜!!!」


 シンデレラは、魔法使いに抱きかかえられていました♪ それを見た王子は心中穏やかではありませんでしたが、突進してきた兄1に対抗するためには仕方ありません。怒りの矛先は、
全てその兄1に向けられましたー! 三上君! 本気の翼は怖いわよ?w


「お、おい椎名っ、ちょっ、待っ――」
「バイバイ」(エンジェルスマイル)
「ぐぇっ!! げはぁっ!!!」
「三上――っ!? ……笠井、お前ってやつは……」
「手段は選びませんでしたが」
「(……武蔵森、やっぱり強敵だな)」←神妙に頷く水野竜也ボン。
「水野! が魔法使いに連れ去られたぞ!! すぐに追いかけよう!!(続・フォーク)」
「っ! シゲの奴……!! 笠井、藤代たちを頼む!!!」



 あらあら、皆舞台から退場? うふ、後はクライマックスを残すだけね。最後まで楽しくなりそうだわ♪


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 あとは後編を残すのみ。どうなる!? ヒロイン!!