「麻衣っ!?」
「岡野! 無事だったのか!?」
「麻衣ちゃん!!」
僕らが出てくるなり三人は、叫び声にも近い奇声のような声を上げた。
麻衣は目をぱちくりさせつつも三人に対し「何とかね」と笑顔を向けていた。
どうやらロープで縛られていただけの様で、それといった外傷はないようだ。
ただ、時折浴衣から覗くロープの痕が痛々しかった。
僕は自分の上着を麻衣に着せた。
「寒いだろ? 貸すよ」
「ありがと」
麻衣はそう言ってから、突然思い出したように叫んだ。
「っ!! ……萌は!? 萌は無事なの!?」
僕が答えるよりも早く、吉野さんが笑顔で言った。
「津久井は無事だよ。麻衣の事、すごく心配してた」
「良かった〜……」
麻衣は安心した様子で、そのままへなへなと床に座り込んでしまった。
よほど心配していたに違いない。何しろ一人で追いかけてしまう程なのだ。二人の絆は計り知れない。
しかし麻衣はまだ知らない。
新たな被害者が出た事を。
そして既に四人がいなくなったことを……。
「義高……アイツにも話した方が……」
僕が麻衣の事を見つめていると、吉文が耳打ちしてきた。
(分かってる。でも、言うのが怖いんだ)
しかし言わなければならない。
隠していても仕方が無いのが事実。
僕は吉野さんに視線を送り、すっかり座り込んでいる麻衣に向かって静かに言った。
「麻衣……話さなければならない事があるんだ」
辛い……
できれば何も言いたくない。
知らせたくない。
だけど、事実は変わらない。
辛くても言わなきゃならない。
避けられない。
――それが真実……。
「義高……」
麻衣は僕の表情から何か感じ取ったらしく一瞬ぎゅっと目をつむると、僕を正面から見据えた。
彼女の瞳からは、決意のようなものが感じられた。また聡明さを感じさせる光が宿っているようにも思う。
そして僕は思う。
麻衣は、全てを受け入れる。
真実から目を逸らしはしない。
例えそれが、辛すぎる事実でも――
「っ……――」
僕の方が一瞬、その瞳に気圧されてしまいそうになった。
彼女は何も言わずに立ち上がると、歩き出した。
そして少し行った所で後を振り返り、凛として言い放った。
「とりあえず談話室ね。話はそこで聞くわ」
堀之内さんの複雑な表情が、更に険しさを増したことに、僕はまだ気付けなかった。
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はいはい、暗闇探検隊リベンジ篇です。いかがでしたか?
個人的にはこの四人、結構好きです。
特に、縁と義高の掛け合いに、力入れてます(笑)縁との絡みが見たい方は、どうぞそれらしき選択肢を選んでくださいね。
選択肢によって、今後の進み方が少しずつ違ってきます。ここまで来れたってことは、多分事件解決まで行けます(おい
どのコースへ進んでも、事件解決まで突き進みましょう!!(他所事