「麻衣!!」

「無事だったのね!」

「何とかね……」



 疲れきった様子で、苦笑した麻衣。

 彼女はあの押入れに閉じ込められていた。



























「麻衣、今ロープを外すよ」

「……ぷはぁっ……! ごほっ、げほっ……あぁっ、苦しかった……」

「麻衣、大丈夫!?」

「二人とも、探しに来てくれたんだね。ありがとっ。もう本当にどうしようかと思ったよぅ……」

「怪我は無い?」

「うん、特には大丈夫。ちょっとロープの痕が痛いけどね……





































「麻衣……無事で良かったわ」

「萌こそ、無事だったんだね。良かった……」



 微笑み合う二人を見て、僕は安堵の息を漏らした。

 良かった。麻衣が無事で……本当に良かった。

 しかし……



「義高君……麻衣には……?」

「いや……まだ話してない……」

「辛いね……」

「……」






 麻衣には言わなくちゃならない。

 他のメンバーのことを。

 さっきの悲しい出来事も……。






「義高……?」

 麻衣が、不安気な瞳で僕を見つめている。

 僕は、思わず目を伏せた。麻衣は何かを悟ったのだろう。そのまま僕に歩み寄ってきた。

「麻衣……」

「……分かってる。私があんなことになったんだもん。きっと、皆にも何かあったんでしょう?」

「……ああ」

「そっか……」






 麻衣はそのまま、談話室の方へと歩き始めた。その後を、津久井さんが続く。吉野さんと秋山さんは、僕の横で佇んでいた。

「麻衣、あの……」

 呼び止めた僕に、振り向いた麻衣は眉を下げて微笑む。

「まずは談話室でしょ? 話はそこで聞くよ」

 その瞳に、もう迷いは無かった。




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*後書き*

ハーレムルート、同行者「華子」篇、いかかでしたか? 突然、怪談話になっちゃってますが、これは私の趣味です(おい
この話、怪談話が終わった後の、義高の台詞が一番怖くないですか? 桃井は自分で書きながら、ちょっとビビリました(笑
義高の台詞で気付いた方、いるか分からないですけど、今回、数箇所隠し台詞があります。反転で見れます★
それを見てもらえれば、義高の言いたいことが分かるんじゃないかと……。
でも、あくまでのこの話は「推理」がメインなので、これは全くの番外編です。あしからず(氏ねっ
でも、やっぱり怪談話って、すごい怖いですよねぇ\(>。<)/ギャ-