『白雪姫』――後編





 白雪姫と小人たちが一緒に暮らし始めて、早数日。8人はとても仲良く暮らしていました。

「おいサル! の隣に座るんわ俺や。はよ、そこ退かんかい」
「何言っとる! ここは俺の席や。絶対譲らへん……って、言ってる傍から席奪ってんやない!!」
ちゃん、僕と一緒にあっち行かへん? コイツらと一緒にいると、喧嘩に巻き込まれてしまうかもしれへんよ」
「え、ええっと……」

 関西トリオにうろたえる白雪姫。しかし、小人たちの強引さは半端ではありませんでした。

ちゃーーん、ご飯まだー? 俺腹減って死にそう!!!」
「誠二、もうちょっとで出来るから、ちょっと待っててね」
「もう待てなーい!! こうなったらちゃんをいただきま――――んむぐっ!?」
「いつから性欲と食欲の区別も付かなくなったの? すみませんさん。コイツには、体で教えておくんで」
「竹巳……誠二にサッカーボール食べさせるのだけはヤメてあげて……」

 わんことにゃんこの掛け合い(?)に冷や汗を流しつつ、調理場に立つ白雪姫。今日のメニューはハンバーグのようです。

さん、何か手伝いますよ」
「将君、ありがとう。じゃあ、こっちの野菜洗ってくれる?」
「はい!」

 まるで『新婚さん、いらっしゃーいv』のようなムードを漂わせると将。しかしここは小人の家。そう簡単にはいきません。

「あ! ポチ、抜け駆け厳禁やで!!」
「風祭、ちゃんにくっつきすぎ!!」
「お前もサッカーボール食べたいの?」
「問答無用!! 直樹お手製お好み焼きブーメラン!!」
「うわわっ、すみません!!」

――ひょいっ

「げっ、お前何避けとんねん!!」
「バカっ! サル、後ろ――」

――べちゃっ……

「…………」
「ひぃっ……つ、翼……」

 直樹の放ったお好み焼きを、将は見事回避。その先にいたのは……

「つ、翼、これには深い深い訳があってな?」
「姫さんっ、怒るとキレイな顔が台無しやで!?」
「そ、そうだよ椎名! せっかく美人なのに!!」
「アホか藤代! それ言ったら、逆効果やろ!?」
「誠二、ホント空気読めないよね」
「げっ!! ごめん皆―!!」
「つ、翼さん、落ち着いて!」
「椎名君、ほらほら、ちゃんも見とるし、な? 落ち着こうや?」

 必死になって弁解する小人たち。翼は怒りのためか、肩を震わせています。
 その様子をおろおろしながら見つめる白雪姫。

「も、元はと言えば、風祭が悪いんやで!!」
「えっ! 僕ですか!?」
「そうやそうや。ポチが悪い!」
「シゲさんまで〜!!」
「いや、俺は純粋に、お好み焼きを投げた井上さんが悪いと思いますけど」
「何やと!! この猫目!」
サル顔には負けます」
「むきーーっ!! 許さん、こいつ!! たこ焼き爆弾投下!!」
「何のこれしき――――手裏剣乱舞、しゅぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴっ」



――ぶちりっ・・



『っ……お前らぁ!!!! いい加減にしろーーーーーっ!!!!!!!!!!!!!』


 ついに翼姫の雷が落ちた模様。








「大体さ、がいる前であんな子供じみた真似して恥ずかしくないわけ? 客人を前に喧嘩するほど、お前らって頭悪かったんだ? ていうかさ、そもそも食べ物投げるのとかあり得なくない? 食べ物粗末にするなとかそういう問題以前に、人間としての最低限の常識すら守れないっていうのが、本当に全く信じられないんだけど」
「うっ……すまん、翼……」
「ゴメンじゃすまないよ。直樹、お前はサル以下だね。どこの世界に人に向かってお好み焼きを投げつけるヤツがいるんだよ! もしこれが、に当たってたりしたら、お前どう責任取るつもりだったわけ!?」
「それは……」
「ズッコケ三人組! お前ら三人は、しっかりお互いを監視しとけよ!! ただでさえ問題起こしかねないメンバーが揃ってるんだから!」
「「すんません……」」
「ズッコケ三人組がしょぼしょぼしてるw アハハ!」
「お前もだよ藤代!! ほんっとお前はバカだね! 笠井、藤代の面倒はお前が見ることになってただろ!? お前が直樹とやり合ってどうするんだよ! とっととその
手裏剣しまえよ!!」
「本当、誠二はバカですよね。すみません」
「ひっ、酷いタク! 喧嘩したのはタクなのに――」
「またサッカーボール食べたいの?」
「……(涙)」
「とにかく! お前ら全員罰として飯抜き!! このまま仕事に行ってこい!!」
「そ、そんな殺生な――」
「文句あるわけ?」
「「「「「ないです……」」」」」

 翼に敵うものあらず。6人は渋々仕事へ出掛けていきました。

「……翼って、お母さんみたいね」
「冗談。アイツらの保護者なんて、死んでもごめんだね。ま、でも……」

 翼は、白雪姫の耳元でそっと呟きました。

が妻になるって言うなら、考えないでもないけど?」
「……あはは」



 そんなこんなで、見事の手料理を独り占めした翼は、上機嫌で森へと出かけていきました。白雪姫は一人お留守番です。そんな時……

――コンコンッ

「はーい? お客さんかしら……」

 扉を開けると、真っ黒いフードを被った、クールビューティがいました。

「こんにちは」
にこのリンゴをあげるよ」
「わぁ、美味しそう!」
「食べてごらん。とっても美味しいから」
「うん!」

 とても初対面とは思えない馴れ馴れしさで、クールビューティはりんごを差し出しました。毒リンゴだとは知らない白雪姫は、リンゴをぱくり。

――ダーーーーーーーーーンッ!!!!!(笑○せえるすまんの決め台詞)


(だーかーら!!! どうしてそう見当違いな効果音ばっか出すんだよ!? 何でここでせえるすまんが出てくるんだ!?)
(いや、何となくだ)
(っ……ざけんな!!! ちっ……スポットライト!!)



「うっ……あぁっ………はぅぅ〜ん……」→(本人は、苦しんでる演技のつもり)


っ!? おまっ、なんちゅー声出して……!!/////)→三上
(ぶっ……!!/////)→鼻血を吹き出す水野
(っ……俺はもう耐えられん……!! 、今すぐにめくるめく官能の扉をあけ――――ぐふぁっ!!)
(お前が開けるのは、
地獄の扉でしょ)
(……英士、ちょっとは手加減しろよ。渋沢のやつ、マジで死ぬぜ……?)



 息苦しさで、もがく白雪姫こと。何だか妙に、喘ぎ声が艶かしいですがご愛嬌……

……しばらく夢の世界に行っておいで……」
「っ……え…いし…………(ばたり)」

 白雪姫はそのまま倒れてしまいました。それをしっかりと抱きとめるのは、クールビューティ。いや、英士? 心なしか、ポーかフェイスが赤く染まっているような気もしますね。


(英士のヤツ、ありゃぜってー照れてる! の生喘ぎを間近で聞いちまったもんだから、興奮中ってか!? かーっ!! マジで羨ましーーっ)
(わ、若菜……喘ぎ声とか言うなよ。その……は一応、毒で苦しんでるっていう演技をしてたんだし……)
(俺には喘ぎ声にしか聞こえなかったぜ? 鼻血出して興奮してたお前が言っても、説得力ないしーw)
(なっ――/////)→図星
(水野って、やっぱムッツリだったんだなw これが一馬だったら、りんごより顔真っ赤にして、今頃気絶してる――
結人……後で覚えてなよ……?――ひいっ!!?)
(ど、どうしたんだ若菜?)
(今っ……耳元で
殺人予告が……!!)
(は??)

(ちっ、郭め。とあんなに密着しやがって)
ぷっつん(血管破裂)』…………ハハハ、郭には特別メニュー追加だな……オーーッホッホッホッホッホッ!)→笑●せえるすまんの笑い声再現するほどに、精神を病んだキャプ
(気持ち悪い笑い方してんじゃねーーーーーっ!!!!!)→続・飛び蹴り
(ごふぅ!!)



「フフ……これでは俺のモノ――――ちっ、もう帰ってきやがった」
 
 怪しさ全開で微笑むお妃。しかし、小人たちが丁度帰ってきてしまったのです。お妃は仕方なく、一旦引くことにしました。

、必ず迎えにくるから」

 呪いの言葉を残して……


(照明、全部落とすぜ!)
(三上ってさぁ、以外と真面目だよなー)
(あぁ?! 俺だってホントはこんなことやりたくねーんだよ!!)
(意外と苦労人だな、お前も)
(うっせーよ!!)
(うふふっ、流石は武蔵森の10番ね。皆の司令塔がぴったりってとこかしら?)
(フン……)




 舞台は変わって、ここは小人の家。
 部屋の真ん中には白雪姫の亡骸が……。

「うわーーん、ちゃーん!! 死んじゃやだーー!!」
っ、っ、何があったんや!? 目ぇ、開けてくれぇ!!」

 を囲んで小人たちは悲しみに暮れていました。しかし、冷静にこの状況を判断している小人もいるようで。

「笠井、お前ならこの事件、どう見る?」
「おそらく、ここに落ちているリンゴに、毒が入っていたんだと思います」
「ふーん……やってくれるじゃん、お妃。僕たちがいない隙を見計らって来るとはね」
 
 どこぞの探偵のような推理を見せる、翼と笠井。二人が、解毒剤を調合するため、書庫に入ろうとした時でした。

「こ、こんにちは……」

 玄関が控えめに開けられました。

「誰?」

 翼の声に、びくっと反応したのは、身なりの良い男性でした。

「そ、その……俺は隣国の王子で――」
「王子なら間に合ってるから。お引取りください」

((((話無視しちゃうわけ!?))))

「い、いや、それじゃあ話が……」
「ていうか、別に王子がキスとかしなくても、解毒剤さえ作れば平気だし。用無しだから帰っていいよ」(翼)
「ええ。お帰りください」(笠井)

 うろたえる王子に、さらに拍車をかけるような台詞が浴びせかけられました。この王子はとてもナイーブなので、それはもう凹みました。

用無し用無し用無し…………」


(一馬! お前何凹んでんだよ。こっからだろ? こっから! を助け出すんじゃなかったのかよー!)


「結人……そ、そうだよな。ここが頑張り時だよな! は、俺が助ける……!!」

 王子は親友の心の声に励まされ、小人たちを押し退けて白雪姫の近くに寄りました。

「ひ、姫……(やべぇ、……マジで可愛い……)」
「何やこの王子。の寝顔に顔真っ赤にしとるでー?」
「なっ、ちが――」
「やーらしーv」
「っ……/////」

 シゲにからかわれて、顔を毒リンゴよりも真っ赤にした王子。目には涙を溜めています。

「げっ……コイツ、泣いとる!?」
「な、泣いてない!!」

(きゃーーーっ、一馬が泣いてる!! 可愛いーーーーvvvv)→

 興奮気味の死体役――は置いといて、とにかく王子は涙目のまま、白雪姫を見つめました。白雪姫は、目を閉じたまま。

……っ……今、助けてやるからな!」

 そして、そのまま白雪姫に口付けようとしました。

「なっ!? お前、いきなり何やってんだよ!」(翼)
「この泣き虫王子! 抜け駆け厳禁やって聞こえんかったんかーー!?」(シゲ)
「うわーーっ!! 真田君、駄目だよーー!!」(風祭)
「ちょ、ストップ!! ストップ!!」(ノリック)
「アホ! 馬鹿! やめれー!」(直樹)
「わーーーっ!! ちゃん!!!」(誠二)
「……
撲殺まで、あと5秒」(笠井)


(今回だけはへタレ卒業かぁ? あーあ、マジ羨ましいぜ〜)→結人
(くそっ! 真田! せめて頬にしろよ!? 口にしたらぶっ殺す!!!!)→三上
(あっ、の貞操がぁぁっ……!! 真田ぁ……叩き切る……!!!!)→渋沢
(くっ……真田……!!)→水野
(一馬のくせに…………その脆弱な精神を、跡形も無く壊してやろうか?)→魔王降臨
((今だけは、郭に激しく同感!))水野・三上


 そして、王子の唇が、白雪姫の唇(!?)に触れそうになった瞬間……

――ぶしゅーーーーーーーーーっ

「えっ…………血? ――って……きゃーーーーーーーーーっ! 一馬っ!?」

 何と、あまりにも頭に血が上った王子は、鼻から大量の血液を噴出してしまったのです。白雪姫は、その衝撃で生き返りました。

「一馬!? しっかりして!!」
「うぅ……目が回る……」
「うわーん! 一馬が死んじゃうーーーっ!!」


(うわ……やっぱり一馬はヘタレだったか)
(危ねぇ……これでの唇は守られたな)
(お、そろそろBGMを流さなくては)


――ちゃーちゃちゃー ちゃちゃーちゃちゃー ちゃーちゃーちゃーちゃちゃー♪(暴れ●坊将軍のテーマ)

(だーーっ!! 何で突然時代劇なんだよ!?)
(いや、ラストに相応しい曲をと……)
(どこが相応しいんだよ!!)


 このBGMと共に、何故かお妃が乗り込んできました。それに応戦するのは7人の小人たち。

(マジかよ!?)
(ほら、イイ選曲だっただろう? ハハハハハ)爽やかなキャプスマ



「茶番はここまで。をこちらに渡してもらおうか」
「フン、ヤダね。ていうかお前誰? お妃だか何だか知らないけど、俺のだから。とっとと失せな」
「翼、何言うとんねん!! はお前だけのモノちゃうやろーが!」
「サル、姫さん。今は争っとる場合やないで!! ノリック、攻撃開始や!!」
「合点承知やでv」
「わ、分かっとる――ってぇ、俺を置いていくなやーーー!!」」

 シゲの言葉に続くように、ノリック、直樹の三人は『ズッコケ三人組』の名前よろしく、魔王に立ち向かっていきました。

「……お前らにはコイツで十分。ほら、水野。お前の出番だよ」

――ぼんっ

「うわっ!? いつの間に俺、舞台に上がったんだ!?」
「ほら早く、あいつらを止めてきなよ」
「はっ!? ちょ、待てよ郭! 俺は――」
「早く行けよ――スイッチ、オン」
「おわっ!?」

 何故か突然戦場に現れたお妃の鏡は、そのまま
捨て身でタックルをズッコケ三人組にかましました。まさに捨て身です。

「ぬわっ!? たつぼん!? ちょっ、こっち来んなや!!」
「いてっ! シゲ! お前人の足踏んどるやないか!! 退けっちゅーねん!!」
「あいたっ。直樹クン、それ僕の足やん!!」
「誰か俺を止めてくれーーーーーーっ!!!!!!(涙)」

――どっかーん!!!

「ぐはぁっ」(シゲ)
「うげっ」(ノリック)
「がふっ!」(直樹)
「俺の人生も……ここまでか――……ばたり・・・」(水野)

 鏡の捨て身タックルは、見事三人組を撃破。もちろん鏡自体も撃破……。

「いつの間に竜也に、スイッチ付けたのよ……(汗)」
、俺に不可能は無いんだよ」
「……納得できるのが怖いわ」
「さて、鏡は勝手に壊れたし。次の相手は誰なわけ?」

 挑戦的なお妃の言葉に、残りの小人×4は、一斉に飛び掛りました。

「一気に片を付けさせてもらうよ! 藤代はを連れて、先に向こうの山へ移れ!!」
「りょ、了解!」
「誠二、ミスしたら、命は無いからね」
「うっ……分かったよ……(涙)」
「笠井、将、ヤツをここで潰すよ」
「は、はい!」
「どうせ最初からそのつもりでした。早くやりましょう」
「ちょ、ちょっと……何て物騒な会話してるのよ……」
ちゃん! ちょっと急ぐから、しっかり掴まってててね!」
「えっ……――きゃぁぁぁぁっ!?」

 の叫びも虚しく。抱きかかえられた白雪姫。誠二は、そのまま猛スピードで森を駆け出しました。
 何たって、6秒フラットの俊足を持つ彼。は振り落とされないようにするので精一杯です。
 森を抜け、谷間へ差し掛かった時でした。

を返せぇぇぇぇぇっ」
 
 恐ろしい声に振り返ると、汗で化粧が落ちかけた、物凄い形相のお妃が追いかけてきているのが見えました。
 その後を、これまた怒り狂った表情を浮かべながら追いかけている、小人×2。姫と猫です。ポチはどうやら
戦死した模様。

「げっ、何で郭が出てくるんだよーー!?」
「ていうかナレーターさん……勝手に将君殺さないでよ……」

 白雪姫たちが呆然としていると、まもなくお妃……というか魔女と小人×2が追いつきました。

「白雪姫……さあ、こっちへおいで」
「い、嫌……」
「フフフ……嫌よ嫌よも好きのうち、なんでしょ? 可愛いね、は」
じゃない、白雪姫! ていうか、これ以上話無視しちゃ駄目でしょーが!」

 にじり寄るお妃に、後ずさる白雪姫と誠二。
 背後は崖。もう後がありません。

「誠二……どうしよう……」
「お、俺もわかんねえ……」
「うわーん! 王子様ーーー、私たちを助けてよーーーっ」

 がそう叫んだ時でした。

から離れろーーーーっ!!!」

――どんっ

「なっ……!?」
「王子は俺だ!」

 鼻血ブーで倒れていたはずの王子。いつの間にか、魔女の背後に詰めていたらしく、魔女の背中を思いっきり押したのです。
 魔女は成す術もなく、そのまま谷底へと落ちていきました。

「バ一馬ぁぁぁぁぁっ!!!!」

 呪いの言葉を叫びながら、魔女は見えなくなりました。


(谷底って言っても……実際は舞台の上から飛び降りただけなんだよな)
(ていうか英士、これ演技じゃないだろ。あーあ、絶対一馬泣かされるよ)
(何か言った?)
(ひっ……英士! その顔……!!)
(おまっ、化粧が崩れて、大変なことになってるぞ……!?)
(郭、これからホラー番組にでも出演するのか? ハハハ)
(お疲れ様、郭君。でもその顔じゃあ、を落とすのはちょっと難しかったかしらね? うふ)
(…………)



「姫、無事ですか?!」
「ええ……ありがとうございます」

 そう言って、微笑む白雪姫に、王子と小人×3は、心を奪われました。
 そして王子が、結婚を申し込もうとした時……
――はーい! こっからは、私、西園寺玲が、ナレーションを担当するわねv

「えっ? 玲ちゃんが!?」

――うふっ。、貴女にはせっかくだから、とっても楽しい思いをしてもらおうと思って。実は白雪姫のラスト、勝手に改変しちゃいましたv

「玲のヤツ、何考えてんだか……」
「監督、一体どんな風に改変したんスか??」

――翼、藤代君。貴方たちにも、王子様になれるチャンスがあるってことよv さあ皆、これに着替えて!

――ばさっ ばさっ ばさっ

「これって……忍装束――」
「なわけないだろーが。タキシード。玲、一体これ着てどうすんのさ?」

――これを着て、皆でに求婚するのよ!!

「えーーーっ!? 何でそうなるの!?」

――だって、今回、皆が貴女のために、王子様役を果たしていたでしょ? 真田君だけじゃなかったはずよ。

「そ、それはそうだけど……」

――さあ、ここからさっきの続きよ。王子様×8人による、求婚ターイム!! 
 王子様たちは、白雪姫に結婚を申し込みました☆


「えっ、ちょっと玲ちゃ――」
、もちろん僕を選ぶよね?」(天使の微笑み)→毒舌美人王子
さん、俺を選ぶと、もれなく下僕(誠二)付きですよ」→真っ黒猫目王子
「えっ!? タクってば、酷いよ〜!」→ペットにしたい、犬っころ王子
はこのシゲちゃんのお嫁さんになるって、約束したもんな。めいっぱい愛したるさかいv」→金髪ロンゲ王子
「何アホなこと抜かしとんのや! 、こんな胡散臭いエセ関西人なんてヤメて俺にしとき。毎日お好み焼き食わしたるでー」→サル王子
ちゃん、黒髪の関西人ってええと思わへん? キンパなんて今時流行らへんもん」→黒髪ホクロ関西王子(そのままやん)
さん、僕と一緒にご飯作りませんか?」→アットホーム王子
「おいお前ら……王子役は俺だって! ……俺、鼻血出すほどお前のことが……」→純情乙女王子
「…………」

――こうして、白雪姫と7人の小人たち&王子様……もとい、8人の王子様は、皆仲良く幸せに暮らしました。めでたしめでたしv ほら、渋沢君! BGM流して? 


――ちゃららーん ちゃららららーらー・・・・・・(ベートーベン)

(……明らかに選曲ミスだって言うのは分かってるんだが……今の俺たちの気持ちを表現しているようで、上手く突っ込めないぜ……)三上
……)←壊れたキャプ
(もはや、コレ。悲劇でも喜劇でも無いな……鏡が俺っていう時点で既に終わってる気がする……)

ーーっ!! 俺を選んでくれーーー!!!)←続・壊れキ――(略)
(何だよこの展開! マジでありえねー!!)結人
(郭……お前、以外と静かだな)←水野
(いや、凄まじく気分悪いけどね。でもまあ、一馬一人にイイ思いさせるよりはマシだったんじゃない? 呪いの効果、あったでしょ)
(呪い……?)




「俺って……実は一番意味の無い役だったんじゃ…………俺ってヘタレ…………orz」

 ナイーブな一馬が、この日から一週間家に引きこもったのは言うまでもない。
 これが魔女英士の呪いかどうかは、永遠の謎である……。
 そして……

「……誰か! 俺をここから出してくれーーーー!!!」

 すっかり忘れ去られてる家来役、天城遼一に明日はあるのか!?



『こんなの白雪姫じゃなーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!』



おわり(なんじゃそりゃ)




 前編/目次

 ていうか、ホントすみません。全然笑えないですよね……。何だか白雪姫は難しかったです。。。
 こんなしょーもない童話シリーズ。懲りずに、まだまだ続きます……。どうか見捨てないでくださると嬉しい。。。
 へタレな一馬が超可愛いです。あと真っ黒な竹巳。 翼姫はいつも可愛い(バカ)最近は、U14の三人衆にちょっぴり愛が偏ってます。
 とまあ、こんなところで。ご感想ありましたら是非是非お寄せくださいませ☆気が向いたら、次回もご覧いただければ……と思います。
2006・8・2 桃井 柚