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幕間2~方向音痴二人組ガ行ク~




 あれから歩くこと30分……一向に着く気配がない。

 なんせ、方向音痴二人組みが一緒に歩いているのだ。迷う事は容易に想像できただろうに……。

 しかし、話が弾んでいる二人を止めることは無理な話だった。

 二人は自分たちが更に迷っている事なんて露知らず、話に夢中である。


「君って、今何歳?」←果てしなくナンパっぽい。

「23歳です」←何故か敬語。

「本当に!? 僕と同い年だよ!」

「ホント!? じゃあ、敬語使わないね」←義高は終始タメ語。

「うん、そうしてくれると嬉しい。そっちの方が僕も話しやすいし」

「ふふっ……あ、ええっと、何て呼ぼうかな。さん付けはちょっとねぇ……義高君でいい?」

「義高でいいよ。じゃあ僕は……麻衣でいいかな?」

「うん! よろしくね」


 既に意気投合してしまっている二人が、別館に着いたのはこれから更に一時間後だった。



ススム→