『探偵乱舞〜桜山荘殺人事件〜』
◇後書き ぷらす α◇


 桜山荘総支配人兼、管理人の桃井柚です。皆様、事件解決、本当にお疲れ様でした。
 後書き……というほど、大したものは書けませんが、まあ思い出話とか、苦労話とか、制作秘話とか色々を、徒然なるままに語っていきたいと思いますので、お暇な方はお付き合い下さいませ。
 なお、この後書き+αコーナーは、全ルート共通となっております。つまりは、多くのネタバレを含んでいるということです。含むというか、ほとんどネタバレな感じです(笑)出来れば……というか、もし宜しければ、全結末をご覧になった後で読んでいただければ、と思います。







◇制作秘話◇







*カミングアウト*

 途中で、何度かカミングアウトしたかと思いますが……(笑)実は当作品、桃井が高校時代に書いたものでした。まあ、その頃友人と物書きにハマッたんですよね。で、合作とかもしてました。ほぼ、オールギャグ。
 そんな過程の中で生まれたのがこの作品。元々のタイトルは『桜山荘殺人事件』のみでした。『探偵乱舞』は、続編のタイトルとして考えていましたが、結局は勝手にシリーズ化を目論み(笑)今の形になったのです。“探偵乱舞”っていうゴロは、自分でもすっごく気に入ってますv 麻衣の推理章のタイトル『探偵乱舞』と、義高篇の『狂咲刑事』は、自分でも「良いタイトル付けたな〜」と、高校時代も密かに思ってたりしてました(馬鹿)
 そして、コレが一番のカミングアウト? この登場人物たちは、実は全て実在してます(え)高校時代は、友人たち数名に見せていたので、当時は名前もそのまま使ってました。しかし、ネットで公開するにあたって、名前は全て大幅に変更しました。なので、もし「この小説のキャラって、ホント濃いよなぁ」と思った方がいた時のために、これは「ノンフィクションです」と断言しておきます(笑)いやいや、殺人事件は起こってませんけどね。ちなみに、桃井自体も誰かの役で出演中です……。



*推理小説*

 推理小説なんて語るのは、世のミステリー好きに申し訳ないです。ホントに。でも、完璧ギャグってわけでも無いし、一応謎解きの要素もあり、推理の場面もある……ということから「推理モノ」というジャンルにさせてもらってます。。。まあ、トリックもロジックも、何ら真新しいものは無いですが……。所詮、ずぶの素人ではあれくらいが精一杯です! あれでも、なるべく矛盾を失くす様に、努力した気がします。まあ、ちょこっと緊迫した空気が出せていれば、私としては80点というところでしょうか。死んだフリっていうのは、ある意味すごく無謀で嘘っぽい気がしますが、実際に使ったら効果覿面!? な予感。焦ったりすると、確認ミスってあるじゃないですか。



*結末について*

 この後書き、一番の読みどころであってほしい部分。結末についてですね。実はこの話、全部で四つほど結末をご用意しておりまして……まあ、分岐ごとに異なった終わり方をしているんです。あ、バッドエンドを含めると、もうちょっと沢山あります。10個くらいはあるかもです。以下、四つの結末について語ります。



◇『最高の相棒』◇(麻衣篇)

 この結末は、私がこのお話を書こうと決めた後、すぐに考えて、最後まで変更もなくそのままの形で載せることになった、思い入れの強い結末です。サクラ(当作品の略称)は、一番のテーマとして「友情」と「成長」を掲げていました。個人的に、恋愛感情<友情を推奨していたこともあり、とにかく「友情」が感じられる話で、終わり方も友情で締めよう! と決めてました。なので、この結末は、かなり友情が感じられる仕様になっている……ハズ。まあ、桃井から友人たちへのメッセージ的な意味もあったので、こういった創りになったというわけです。よって、あまり事件の真相には触れていませんし、それで良しとしてしまっているのはわざとです。
 タイトルの『最高の相棒』には、実は結構深い意味が込められてまして。麻衣・萌の親友という間柄を指しつつ、麻衣・義高の関係も指すもの。どちらも最高なんだよ! というイメージです。桃井的にはこのラストが一番気に入ってます♪ 短いけれど、しっくりまとまったという感じです。



◇『夢の中の理想郷』◇(義高篇)

 この結末も、高校時代に考えたままです。麻衣篇を書き終えた後にとりかかったので、やっぱり麻衣篇との違いを作らないとなぁと考え、このようになりました。麻衣篇は、事件から3ヶ月しか経っておらず、しかも義高が特捜課に配属されるというオチですが、こっちは逆。一年後に、麻衣が捜査一課配属になるというものです。しかも、小倉先輩がライターとして活躍し、あの事件を小説化したなんていう裏エピソードもあったりと、色々盛り沢山です。
 タイトルは、義高が「夢を見ているのかもしれない。でも、それでもいいんだ」と思う心を表しているというか。覚めてほしくない夢って、あるじゃないですか。そんな感じです。なので、あの結末は人によって捉え方を変えてもらって良いかと。あれを現実と捉えるもよし。白昼夢と捉えるのもよし。
 ちなみに、義高篇でしか「死神の正体」は分かりません。こっちの方が、より事件の真相には迫れる分岐です。この辺は、ホントにお好みでという感じですかね。



◇『桜色の未来』◇(義高篇)

 この結末は、今回書き下ろした完全新作エンドです。最後まで、ほぼ↑と同じ進み方なのですが、最終章のみ途中から違う展開を見せてます。別名、ハーレムエンドの名の通り(笑)女の子たちに囲まれるという、何ともおいしい結末です。かなり楽しんで書きました。もうホントギャグですが。まあ、特に語ることもないです。恋愛っぽく見せつつ、最後はハーレム&爽やかな終わり方を目指しましたが果たして……。



◇『真実を求めて』◇(麻衣篇)

 4つめの結末で、今回書き下ろしたものです。このエンドのみ、他の三つとは異例な創りになってます。読んでいただければ一発で分かると思いますが、とにかくこのエンドにはギャグは一切ございません。そして、結構辛い展開ですね……。何だか書いてて泣きそうになるくらい、悲しかったです。いや、自分が考えたんですけどね。ただ、この案は高校時代からあったもので、実際に形になったのが今回、というわけなのです。
 他の三つは、ある意味ハッピーエンドですが、これはアンハッピーエンドになっちゃうんですかね…。ただ、結構お話としては読める仕上がりに出来たと思っているので、そういう意味では気に入ってます。私、ギャグも好きですが、シリアスもすごい好きなのです。先の見えない不安を抱えても、二人でなら……と、ちょこっとだけ親愛さを入れてみました。窮地を乗り越えると、絆が生まれるのですよ。人間は。麻衣と義高は、恋愛感情ではなくて、親愛感情(え)を持っているのだと思います。冷めたこと言うようですが、恋愛は一時期の感情でも、親愛は一生続くものだと思うのです。そういう意味で、二人には恋愛を越える親愛を築いてほしいなぁ。友情は恋愛感情を超えるものだと信じたい(笑)



◇Another Ending?◇

 こっからは究極のネタバレ……というか、『Another End』についてちょろっと。↑の『真実』エンド。やっぱギャグ好き、ハッピー好きな桃井としては、ちょっと寂しいエンドなんですよね(じゃあ創るな)そう、そうなんですよ。実はぶっちゃけてしまうと、コレ、本当は続きがあるんです!!(何)いや、続きっていうか、もう一つのエンドというか。短いんだけど、コレがあるかないかで、全然っ雰囲気違う……というか真逆?? 当初考えた段階では、アナザーまで含めて一個の結末だったんですよ。でも、何か書き下ろしたら『真実を求めて』が意外としっくり来た。これはこれでエンドとして成り立つんじゃね? と思い、あえてあそこで一応の完結としちゃいました。なので、アナザーについては、ホントお好みでという感じなのです。あのエンドはやっぱ嫌だなぁとか、暇だから読んでみたいとか、そういった理由がある方のみ閲覧してくださると良いかと。おまけシナリオ的な位置づけです。閲覧方法は、
『真実エンド』の最後、――完――から入れます。ま、これが無いほうが、ある意味お話としては良いかなぁとも。ご参考までに。



*キャラについて*

 上でも記した通り、ほぼ全員が実在する人物をモデルに書いていたので、特に語ることはございません。ただ、主役の二人については、かなり創った感はありますが……。以下、数名のみご紹介。

●北林義高●
 まず義高。彼は序盤相当狂ってましたね。そして中盤では正常を何とか保ち、また終盤で壊れてしまった……というキャラでした。まあ他のキャラよりもはるかに動かしやすい彼は、まんまと作者の餌食となってしまったのです(笑)可哀相に……。でも私的には一番お気に入りです。本当にいたら、絶対仲良くなりたいですよ。義高は当初、あんな変態にする予定はありませんでした(笑)が、書いてるうちに、勝手に暴走し始めて……結局、ああいうキャラに落ち着きました。彼については、序盤での麻衣との出会い時、麻衣が何かを思い出しているシーンがあると思いますが……つまりはそういうことです(謎)彼の名誉のために申しておきますと、実在する彼のモデルは、決してあんなおかしなキャラではありませんでした。むしろおかしいのは桃井の頭です。ホント、この場を借りて、モデル(容姿だけ)の●●君にはお詫びを申し上げておきます。ごめんなさいm(。_。)m ペコッ


●吉野縁●
 縁は、もう何だか怖い女化してました。特に義高との戦い(!?)はスリル満点でしたね。タロットを使いこなし義高を虐める。そんなキャラになっちまった。縁を一番演技下手に書きました。特にそれが顕著に現れていたのは、千絵子が死んで須山が狂うシーン。義高の独白で「吉野さんなんて肩を震わせながら俯いている……」というのがありますが、これは笑いを堪えようと必死に耐えているんです。見抜いた人はいないでしょうけど。あ、でも『真実エンド』の場合は、これの限りではありませんね。演技ではないかも……?(笑)
 余談ですが、実在のモデル。かなりの美人です★桃井の友人の中では、郡抜いて美人さん。でも、性格も小説まんまって感じに濃い(笑)


●秋山華子●
 彼女は、本編中では色々頑張ってくれました。実際も、行動力ありありのパワフルガールです。個人的に、ハーレムルートで彼女をペアに選んだ場合にのみ聞ける、『怖い話』が自信作だったり。自分で書いてて、結構怖かった。アレ、反転すると……ちょこっと怖いことが起きます。未体験の方は是非チャレンジしてみてください。


●小倉諭・大塚陽●
 先輩キャラは、コレも実在しとります。そして、キャラもまんまです。分かる人が読めば、きっと分かってしまうんですが、あえてスルーでいきたいと思います。まあ、自分でもホント濃いキャラの中で生活していたなぁとしみじみ思ったり。特に、、後者の先輩には何度殺されるかと思ったことやら……(遠い目)




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 さて……こんなくだらない後書きにまで目を通してくださっている方、本当にありがとうございます。
 桃井としては、このサイトを創った一番の理由が、当作品に日の目を見せるため! だったので、今ホントに感無量です。サイト運営を始めて一年が経ちましたが、やっと一つの区切りが果たせたかなぁと思っています。それもこれも、足を運んでくださる皆さんのおかげです。サクラは、私の高校時代の全てだったと言っても過言ではなく、本当に思い入れが強い作品です。それを楽しんで下さる方がいるというのは、本当に感謝感激雨嵐なんです……!! ええ、本当に……(号泣)
 今後も時間の許す限り、創作活動に打ち込んでいく所存ですので、宜しければお付き合いいただけたら幸いです。拙い文章力ですが、作品に対する情熱だけはあるので(笑)その辺りを汲んでいただたらなぁと……。
 それでは、長かった『探偵乱舞〜桜山荘殺人事件〜』は、これにて閉幕です。また、皆様にお会いできることを祈りつつ、終わりの文章と代えさせていただきます。本当にどうもありがとうございました。

2006年8月16日 桃井柚





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◇次回予告!?◇

 実は、『探偵乱舞』の続編なるものも、執筆してました桃井です(笑)途中まで書いてあるので、また後日改めて告知した後、アップしたいと思います。続編には、今回はちょろっとしか出てこなかった、でもキーパーソン的役割を果たしている彼とか。今回の主役の二人のあの後とか。金髪碧眼とか、ロリ顔ツンデレとか(いやいや)が大活躍!? の内容になってます(予定です)
 公開は、9月初旬から半ばを予定しております。『続・探偵乱舞』は、『探偵乱舞』よりも遥かに読みやすくなっていると思われ……。分岐とか一切なしですし、ぶっちゃけ推理要素もありません(爆)推理モノ→シリアスコメディモノに転換です。なので、純粋にお話だけをお読みいただけるかと思います。そして、今現在の桃井が書いている部分が多いので、ちょっとは文章力もマシになっていると……(怪)
 そんなわけで、また近々皆様にお会いできることを切に願いつつ……。